『花のイベントレポート』生産者×お花屋さんがコラボレーション「湘南オンシア展」

2021年11月、スプレーマムの生産者とお花屋さんがコラボレーションをして「湘南オンシア展」を開催しました。
場所は東京都大田市場にある仲卸ザ・ネクスト・ワン・東京。その店舗を活用し、多くの来場者が参加するイベントとなりました。
今回はそのレポートをお届けします。

テーマは「洋花に似合うマム」

日本におけるスプレーマムのイメージ

皆さんはスプレーマムにどんなイメージをお持ちでしょうか?
おそらく「和」・「仏花」・「葬儀」という言葉が浮かんだ人が多いのではないかと思います。
実際、国内でのスプレーマムの使われ方は仏花と葬儀において数が突出しています。ただし、そのイメージは世界的に見ると日本だけで強く広まっており、海外ではスプレーマムは洋花と同じ扱われ方をしています。

価値を塗り替える

今回の展示会は「日本のスプレーマムのイメージを変える」をコンセプトに、「洋花に似合うマム」というテーマで開催されました。主催である農業法人MIYASHOが栽培する白スプレーマムの「オンシア」を使用し、お花屋さんが様々なバリエーションの作品を製作。コンセプトの通り、スプレーマムの可能性を多くの来場者に提案するイベントとなりました。

大胆な展示会場、斬新な作品に多くの反響

今回のイベントで製作を担当した東京都大田区の秀花園さん

店舗を会場として活用

仲卸であるザ・ネクスト・ワン・東京ではイベント当日、販売スペースを展示会場として使用しました。店舗を活用した展示会は経験がなく、また、お花屋さんに作品を作ってもらうことも初めての挑戦。試行錯誤を重ねて設置した会場は、たくさんのお花が並ぶ仲卸通りにあっても、作品が際立つ大胆なものとなりました。表日での開催にしたことで、大田市場に来る多くの人の目に留まり、来場者を驚かせました。

「苗」から「作品」まで様々な業種が参加

これまでの「産地フェア」は生産者・市場・仲卸だけで行われるものでした。しかし、今回はお花屋さんの協力があるだけでなく、「オンシア」の苗を販売している種苗会社のセレクタ社からも応援が駆け付けました。
お花屋さんである秀花園さんは様々なシーンをイメージした10点以上の置き型作品に加え、2点の壁面装飾を製作。斬新な作品たちに多くの感想が寄せられました。

来場者からは
「マムに可愛らしさだけでなく上品さがあった。魅力的に見せる工夫が素敵」
「お店の売り場を使用した斬新なイベント」
「お悔みだけでない、新しいマムの可能性が見れた」
といった声が出ました。

すべての作品に「オンシア」を使用
ブライダルでも見栄えする屏風型アレンジ

生産者として声を受け止める

イベントで活躍した「湘南オンシア」

今回の展示会を主催した農業法人MIYASHOは神奈川県平塚の地でスプレーマムの栽培に励んでいます。冬季はイベントで使用された「オンシア」という、国内では出荷量の少ない八重咲の品種を栽培しています。このスプレーマムは「花持ち、散らない八重、ボリューム」が特徴で、芯の緑と外輪の純白が美しい色合いになっています。

現状と課題

年々、花きの取り扱い本数が減っていることは周知の事実です。コロナ禍の影響もあり、ホームユースとしての観葉植物やガーデニング系の苗物は流行っていますが、切り花は依然として厳しい状況が続いています。特に葬儀に依存率の高かった白菊やスプレーマムはその数字が顕著であり、流行りのサブスクリプションでもイメージのため出番が少なくなっています。

生産者の宮川さんは、「今回のイベントでお花屋さんと直接話が出来て勉強になった。生産の立場と、使い手の立場。改めて考え方の違いを実感し、そのギャップを埋めていくことの必要性を強く感じた。これからも多くの人に花を見てもらい、使ってもらい、新たな可能性を探っていきたい。お客様が本当に求められている物を作っていける生産者になりたい」と話してくれました。

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