『花のイベントレポート』神奈川県平塚市「ローズフェスタ」×バラの生産者・種苗会社

今回は5月17日・18日に神奈川県平塚市で開催された「ローズフェスタ」を特集。会場となったホテルサンライフガーデン、展示されたバラを提供した種苗会社のイノチオ精興園株式会社・平塚市の渋谷ばら園など、バラによって生まれた繋がりを取材しました。

「ローズフェスタ」開催

平塚市は「バラのまち」として有名で、この時期には市内にあるバラの名所巡りが行われます。そのひとつであるホテルサンライフガーデンでは毎年「ローズフェスタ」が開かれます。

昨年はコロナ禍のため中止となりましたが、今年は無事に開催されて多くの来場者が訪れました。会場には46品種ものバラが展示され、ローズガーデンに咲き誇るバラたちと一緒に来場者を出迎えました。

イノチオ精興園株式会社から提供されたバラ
渋谷ばら園から提供されたバラ
ホテルサンライフガーデンのチャペルとローズガーデン

バラを提供したイノチオ精興園株式会社

会場で一番人気だった「スタートレック」

今回のイベントにバラを提供したイノチオ精興園株式会社は花の苗を販売している種苗会社で、2021年には100周年を迎えた歴史ある会社です。

取り扱っている品目としては菊類が主となりますが、2020年頃からバラ苗の販売にも力を入れており、イベントには約40種ものバラを届けてくれました。お葬儀など業務用として使用される品目以外に、コロナ禍以降に需要が高まっているホームユース用の開発も進めています。

バラは代理店として扱っている種類が多いそうですが、この先は自社ブランドの品種が増えていくとのことで楽しみです。イベント当日には担当者の方が広島から応援に駆けつけてくれ、一押しのバラを教えてくれました。

「ベルベットリップ」
花や葉の色つやが良い。
「ブルターニュ!」
花付きが良く、花が一番花と並ぶように咲く。
「モモエ」
花弁が丸くて可愛らしい。濃い目の鮮やかな色合い。

平塚市の「渋谷ばら園」

同じくイベントにバラを提供した渋谷ばら園は、神奈川県平塚市で年間約10万本のバラを市場に出荷しています。渋谷ばら園では土耕栽培・切り上げ方式にこだわり、ブライダルでも使用される高品質のバラを出荷しています。この方式で栽培することで花の色や葉の艶が良くなり、長持ちするそうです。

今年から育て始める「ウェストミンスターアビー!」を含めて10品種を取り扱っており、そのうちの半分は「カフェラテ」「ユカカップ」「シェドゥーブル」など、アレンジメントやブライダルで需要の高い品種です。主な出荷先は大田花きで、これらのバラは事前の注文で売り切れてしまうほど人気があります。

渋谷さんの話では去年の秋からブライダル需要が戻っており、一番人気の「カフェラテ」は一回の収穫で少ないときで30本、多くても200本くらいしか取れないために、ほぼ全量が事前注文で完売してしまいます。

夏は暑さの影響でバラの花弁数が少なくなり、花が小さくなるため7月半~9月上旬まで出荷をお休みしますが、秋には再開されるそうです。

「ユカカップ」
「カフェラテ」
「シェドゥーブル」

終わりに

渋谷ばら園のバラを使用したアレンジメント
(作:株式会社サン・ライフ セントポーリア)
赤バラ100本の花束
(作:株式会社サン・ライフ セントポーリア)
スプレーマムの「オンシア」を使ったアレンジメント
(作:株式会社サン・ライフ セントポーリア)

会場には渋谷ばら園から提供があった「ユカカップ」「シェドゥーブル」を使用したブライダル向けのアレンジメントが展示されました。それ以外に、平塚市でスプレーマムを栽培している株式会社MIYASHOの「オンシア」を使用した和風アレンジメントも飾られました。会場装飾を担当した方に提供された花の感想を伺ってみると、バラもスプレーマムも花・茎ともにしっかりしていて素晴らしい品質だったと話してくれました。

会場には赤バラ100本を使用した花束が置いてあり、来場者が持って記念撮影ができるようになっていました。取材チームも実際に持ってみましたが、想像よりも重くて驚きました。

「ローズフェスタ」は終わってしまいましたが、ローズガーデンには様々なバラが咲き誇って見頃となっています。ぜひ、時期を逃さずにホテルサンライフガーデンに足を運んでみてはいかがでしょうか。


ローズガーデンのバラたち

▼おすすめ記事