『花とサステナブル』(海外)花の流通と環境について意識する人たち

繁忙期の一つである母の日は、世界共通で花が売れる日です。店頭には通常より多くの花が並べられますが、皆さんは花の生産から販売までの過程において、どれほどのエネルギーが使われているか想像したことがあるでしょうか。今回は花の流通と環境負荷にスポットを当て、その改善に取り組む人たちを取り扱ったBBCの記事を紹介します。

花と資材とサステナブルについて考える

過去に「Young Innovators Awards」で表彰されたShannon Thomasさんは、イギリスで取り扱われる花の多くがオランダからの輸入に頼っている現状や、花の輸送における環境への負荷を危惧しています。消費者が商品を選ぶ基準や関心について触れ、BBCの記事で以下のように述べています。

「サステナブルを意識する人々が、花き産業が環境に与える影響について理解すれば、サステナブルではない花を買うことを選ぶ人はいないでしょう」

彼女はそれだけでなく、伝統的なデザインやリースに使われている使い捨てのプラスチックなどが、リサイクルできないことに危機感を持っています。そのため英国の栽培業者と協力して、エンドユーザーにアイテムの再利用を呼びかけています。日本ではようやくサステナブルという言葉が定着してきましたが、海外ではサステナブルな商品というだけで、消費者に選ばれる理由の一つとなります。

二人目はRita Feldmannさん。彼女が特に問題意識を持っているのが、花き業界に定着している持続不可能なフローラルフォームについてです。彼女が運営しているメルボルンとその周辺地域でイベント用のフラワーデザインの提供を行う「Rita Feldmann FLOWERS」は、フローラルフォームの不使用・再利用可能な器の使用・使い捨てのプラスチック雑貨の回収などを行い環境に配慮しています。

また彼女はオーストラリアのメルボルンに拠点を置く、花屋さん向けの教育や認定されたサステナブルフローリストのネットワーク構築に関する教育を行う団体「Sustainable Floristry Network」のディレクターでもあり、この団体を通じてさまざまな活動を行っています。

最後に

もうすぐ母の日です。近年様々なギフトが出ており、需要は拡大傾向にあります。これは海外においても同様で、「National Retail Federatio」が発表した年次調査によると、2021年はアメリカの母の日の消費額の見込みが2020年から14億ドル増の281億ドルとなりました。

今回は海外記事を取り上げましたが、日本国内でも様々な商品や活動において環境に配慮した取り組みが行われています。母の日の送り物として、多くのお花が取り扱われる今だからこそ、皆さんの中の「当たり前」を一度見直してみるのはいかがでしょうか。


参照:

BBC NEWS 「Mother’s Day: How sustainable are the flowers you buy?」

「Rita Feldmann FLOWERS」

「Sustainable Floristry Network」

「National Retail Federatio」

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