『コロナ禍における葬儀』新しいあり方や当たり前とは?

コロナ禍で葬儀の選択肢が増えてきている中で、以下のような疑問や悩みをお持ちではありませんか?

  • コロナ禍で葬儀が縮小傾向にあると聞いたけど、みんなどういった葬儀を行ってるの?
  • 家族葬とか一日葬とか聞くけど、違いがよく分からない
  • デジタル葬って聞くけど、本当に需要はあるの?

この記事では、コロナ禍で変わる葬儀の在り方について、葬儀の種類や行われ方についてまとめてみました。

コロナ禍での葬儀

これまでの伝統的な葬儀の在り方としては、お通夜と葬儀・告別式および火葬を2日に分けて行う一般葬が中心でしたが、コロナ禍での葬儀は、三密を避けるために、人数を縮小したり、儀式を簡略化したりと、簡易・簡素な葬儀を選択する人が増加しています。

コロナ禍で注目される葬儀

家族葬

家族葬は、都市部を中心にコロナ禍以前から需要が増していましたが、今回のコロナ禍で、移動の制限や不要不急の外出自粛なども重なり、規模を縮小して行う事が出来る家族葬の需要に拍車がかかりました。流れとしては一般葬と同じで、お通夜、葬儀・告別式、火葬と一通り行いますが、一般葬が多くの方に見送られるのに比べ、家族葬は参加人数を少なくし、親族やごく一部の親しい間柄の方のみで行われる小規模な葬儀となります。家族葬の人数に明確な定義はありませんが、10名~30名程度で行われることが多いようです。

一日葬

一日葬は「ワンデーセレモニー」とも呼ばれ、お通夜を行わずに、葬儀・告別式と火葬のみ行い、一日でお別れを済ますという葬儀です。特に人数に制限はありませんが、基本的には規模を縮小した葬儀になりますので、親族や親しい間柄の方のみの小規模な葬儀になるのが一般的です。家族葬に比べると、まだまだ一日葬を選択する方の割合は少ないですが、一日で済ますことができ、高齢のご親族が多い方にとっては負担も軽くなるため、コロナ禍で密を避けるという意味でも、選択する方が徐々に増えてきているようです。

火葬式(直葬)

火葬式は直葬とも呼ばれ、お通夜や葬儀・告別式を行わずに直接火葬を行う非常にシンプルな葬儀で、コストを抑えることが出来るため、予算の兼ね合いから火葬式を選択する方も増えています。特に、今回のコロナ禍で、死因が新型コロナウィルスの場合は、遺体からの感染リスクを抑えるためにも、遺体を安置することが出来ずに、火葬式とならざるを得ないケースもあります。コロナ禍以前のデータにはなりますが、平成29年に公正取引委員会が公表している「葬儀の取引に関する実態調査報告書」によると、一般葬、家族葬に次いで直葬を選択する方が多いようです。

出典:公正取引委員会「(平成29年3月22日)葬儀の取引に関する実態調査報告書」

骨葬(後日葬)

骨葬とは、一般的な葬儀の流れとは逆で、先に火葬を済まして、祭壇に遺体ではなくお骨を安置して葬儀・告別式を行うといった流れで、北関東から東北地方や北海道などを中心に行われている方式です。今回のようなコロナ禍において、遺体からの感染リスクを抑えるために先に火葬を行わなくてはならないが、火葬式だと味気ないので葬儀・告別式は行いたいという方を中心に、骨葬が選択されているようです。また、コロナ禍の状況で多くの方に参列してもらう事が難しいため、落ち着いたら改めて、葬儀・告別式、お別れ会などの偲ぶ会を行いたいという後日葬の相談も増えているようです。

葬儀の場所

近年のお葬式は、斎場で行われる割合が最も多くなっていますが、コロナ禍で昔ながらの自宅葬やオンライン葬なども注目されています。

自宅葬

自宅葬とは、ステイホーム葬と呼ばれることもあり、自宅で行う葬儀全般のことを指します。旧来は自宅で葬儀を行うのが一般的で、今回のコロナ禍でも、家族や一部親族だけで行う小規模な葬儀であれば、わざわざ斎場を借りずとも、自宅で行う事も十分に可能なため、今まで住み慣れた自宅からゆっくりとお見送りすることができる自宅葬は再度注目されつつあります。

オンライン葬

以前は抵抗があり、中々受け入れられづらかった葬儀のデジタル化ですが、今回のコロナ禍でオンライン葬を取り入れ始めた葬儀社も増えてきているようです。オンライン葬は、リモート葬と呼ばれることもあり、実際に行われている葬儀の状況をオンラインで中継することにより、遠方にいる方や、外出が難しい方などもオンラインで参列することが可能となります。コロナ禍での状況では、海外にいて日本に帰国するのが困難な方もいたり、高齢で遠方に出かけるのが難しい方もいたりと、その場に行かなくても参列できるオンライン葬は、今後も一定の需要はあるかも知れません。

その他、三密を避ける対策

葬儀での三密を避ける対策としては、マスクの着用やアルコール消毒、座席の間隔を空けるソーシャルディスタンスなどは勿論ですが、葬儀ならではの問題として、以下のような対策も行われています。

食事の提供を控える

通夜振る舞いや精進落としなどの会食の場は、感染が広まる一番の原因にもなりかねませんので、食事の提供を控える代わりに、お持ち帰り可能なお弁当に変更したり、グルメカタログギフトを渡すといった方法も取られています。

参列時間の工夫

お通夜や葬儀・告別式の参列をご焼香だけにして滞在時間を短縮したり、親族と親族以外とで時間を分けることにより参列時間を分散し、密を避けるという対策なども取られています。

コロナ禍での葬儀まとめ

コロナ禍での葬儀についてまとめると、以下のようになります。

  • コロナ禍の影響により、規模を縮小した簡易で簡素な葬儀の需要が増加した
  • 斎場での葬儀だけでなく、自宅葬やオンラインでの参列などもコロナ禍で注目されている
  • 密を避けるため、葬儀の現場でも様々な工夫がなされている

死者を弔うという行為自体は古の時代から続いている儀式ですので、なくなることは考えづらいですが、時代と共にその在り方は常に変化し続けているようです。

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